お湯1リットルに炭酸ガスが1000mg以上溶けたものは『療養泉』と定義されています。ヨーロッパにおいては、天然炭酸泉のことを「心臓の湯」と呼び、健康保険が適用されるほど、効果への信頼性が高いのです。
炭酸泉は、炭酸ガスを多く含有するため、入浴すると肌に小さな気泡が付着します。これは炭酸飲料をコップに注いだときに、コップ内に付着する泡と同じ原理です。
人は酸素を肺から吸収して、血液に乗せて体の隅々まで運び細胞に酸素を供給します。細胞では酸素をエネルギーとして使い、炭酸ガスをゴミとして出します。その炭酸ガスは、また血液に乗って肺まで運ばれ、呼気として体外へ排出されます。したがって、細胞の活動が活発であるほど血中に排出される炭酸ガスの量が多くなります。
わたしたちの血液に含まれる、赤血球の中に存在するタンパク質、ヘモグロビンは、実は炭酸ガスによって酸素を切り離す性質があります。
お湯に溶けた炭酸ガスは、皮膚を通り抜けて皮下の毛細血管に入って行き、血中に浸透します。供給される酸素を血液に流す量をコントロールしているヘモグロビンが、より多くの酸素を切り離し、毛細血管に流れ込む血液の量を増やします。
これにより、炭酸泉に浸かっている部分の血行が促進され、酸素、水分、栄養が大量に供給されることとなり、併せて炭酸ガスを含む老廃物を引き取る量も増え、新陳代謝が促進されるというわけです。
ちなみに、炭酸泉に浸かると35℃~36℃くらいのお湯でも、浸かっている部分だけが赤くなります。
※これを紅潮反応と呼びます。